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わんちゃんの皮膚炎(3)
「アレルギー性皮膚炎って何?」
アレルギーとは、ダニ・カビなどのアレルゲンに対して免疫機能が過剰に反応してしまうために
おこる病気のことです。
皮膚炎の中でも、アレルギー性皮膚炎は治りにくく、特にアトピー性(吸引性)皮膚炎は治療に
時間がかかり、わんちゃん・飼い主様にとって大変な病気です。
しかし、あきらめずに治療と生活改善をすることで、かゆみを減らすことはできます。
わんちゃん・飼い主様・私たち獣医師、力を合わせ、よく相談しながら根気よく治療しましょう。
「アレルギー性皮膚炎の治療法は?」
1 まず、感染をコントロールします。
2 アレルゲンを特定し、除去します・・・すべてのアレルゲンを検査で特定することはできません
が、特定できたものだけでも、食事・環境からできるだけ除去しましょう。
アレルゲンを含まないフードにかえましょう。もちろんおやつもです。
ハウスダスト・カビなどを少なくするために、こまめに掃除をしましょう・・・わんちゃん
のゲージ・ベッドも忘れず、毎日掃除してあげましょう。
わんちゃんの体に付いたアレルゲンを洗い流すために、シャンプーをしましょう。
3 かゆみをコントロールします。
ステロイド・・・即効性があり、効果も高いが、副作用があるので、短期間だけ使います。
抗ヒスタミン剤・・・副作用は少ないが、効き目が弱い。他の薬と併用して使います。
シクロスポリン・・・ステロイドより副作用は少ないが、飲みにくく、即効性はないです。
アポキル・・・即効性があり、効果も高い。(2016年夏発売)
4 皮膚の改善・・・シャンプー・保湿剤など
5 体質改善・・・減感作療法・インターフェロン・腸内環境改善など
「その他の皮膚炎はどうするの?」
その他の皮膚炎で、きちんと診断がついた場合は、その病気に対しての治療をしていきます。
例えば、甲状腺機能低下症は血液検査で診断ができ、甲状腺ホルモン製剤を内服することで
皮膚の状態だけでなく、一般状態の改善もみられます。ただ、症状の改善には、数週間から
数ヶ月かかり、、症状が落ち着いた後もずっと内服が必要になります。
どの病気の場合でも、感染・かゆみのコントロールと皮膚の改善は重要です。
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